石が胆汁の通り道を塞ぐと強い痛みや炎症を起こします
胆石症とは
胆石は「胆のうや胆管に石ができる病気」で、石があるだけで無症状の人もかなり多い一方、石が胆汁の通り道を塞ぐと強い痛みや炎症を起こします。
なお、「胆石」と「胆のうポリープ」は腹部エコーで一緒に見つかることがありますが、全くの別物です。
主な症状
代表的なのは胆石発作(胆道疝痛)です。
- 右上腹部〜みぞおちの痛み(突然始まり30分〜数時間続く)
- 食後、とくに脂っこい食事の後に起こりやすい
- 背中・右肩に痛みが響くことがある
- 吐き気・嘔吐
- 無症状のまま健診や腹部エコーで偶然見つかることも多い
※ただし、発熱・悪寒、黄疸、強い持続痛が出てくると、単なる胆石発作ではなく、胆のう炎や胆管炎などを考えます。
原因
日本で多いのはコレステロール結石です。胆汁の成分バランスが崩れてコレステロールが結晶化し、徐々に石になります。
できやすくなる要因として、肥満・メタボリックシンドローム、急激な減量、脂質異常症、糖尿病、加齢、女性、妊娠・女性ホルモン、胆のうの収縮低下、胆石の家族歴などがあります。(一方、黒色石・ビリルビン系の結石は、溶血性疾患などが背景にあることがあります。)
検査
まず非常に有用なのが腹部超音波(エコー)で、石の存在・大きさ・数、胆のう壁の肥厚、胆のうの腫れ、胆管拡張などを確認できます。
血液検査ではAST・ALT、ALP、γ-GTP、総ビリルビン、CRP、白血球などを確認し、特に胆管に石が落ちている場合は肝胆道系酵素やビリルビンが上昇することがあります。必要に応じてCT、MRCP(MRIによる胆管・膵管検査)、EUS(超音波内視鏡)、ERCP(内視鏡的胆管造影・治療)などを追加します。
治療方法
「胆石がある=すぐ手術」ではありません。
① 無症状の胆石:基本的には経過観察です。偶然見つかっただけで症状がない場合、通常は積極的な治療をせず経過を見ます。
② 胆石発作を繰り返す:症状のある胆石では、一般的には腹腔鏡下胆のう摘出術が根本的な治療です。「石だけ取る」のではなく、胆のうごと摘出するのが標準的です。
③ 急性胆のう炎:胆石が胆のうの出口付近に詰まり、発熱・右上腹部痛・圧痛・CRPや白血球上昇などの炎症を起こした状態です。状態によっては抗菌薬などで治療しつつ、早期の腹腔鏡下胆のう摘出術を検討します。
④ 総胆管結石:石が胆管に落ちた場合は、黄疸+発熱+腹痛が出ることがあり、重症化すると急性胆管炎になります。この場合はERCPで胆管内の石を取り除く治療が重要になります。
特に「右上腹部やみぞおちが強く痛い+発熱」あるいは「腹痛+黄疸」がある場合は、胆のう炎・胆管炎の可能性があるため、早めの受診が必要です。高熱、悪寒、意識の混濁、血圧低下などがあれば敗血症なども考える緊急性の高い状態です。












