胃カルチノイド/胃NET・神経内分泌腫瘍(NEN)

稀な疾患で、直訳すると「癌に似た」となります。このことから「癌もどき」と表現することもあります。カルチノイドは人体に広く分布する神経内分泌細胞からできる腫瘍です。発生部は胃、十二指腸、小腸、虫垂、大腸などの消化管、膵臓などです。この神経内分泌腫瘍は悪性腫瘍に比べ進行がゆっくりで予後が悪いことは少ないと考えられています(大きさ、発生部位、病理型等により異なります)。
消化管カルチノイドは直腸に多く(55.7%)、次いで十二指腸や胃に多くみられます。胃腫瘍のうち0.4%がカルチノイドと報告されており、最近は検診などの内視鏡により無症状で発見されることもあります。
本例は70歳代女性、胃体中部小弯に6〜7mmの半球状隆起で、頂部に拡張した血管が観察されます。病理結果はNET G1で最も悪性度が低いものでした。10mm未満であり、内視鏡治療目的で消化器内科に紹介しました。

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