潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる慢性的な炎症です。国の難病疾患に指定されており、患者登録者数は約16~17万人と報告されています。患者数は年々増加しており、発症年齢のピークは20歳代と若年者に多いのが特徴ですが、高齢での発症もあります。慢性の下痢や下血、腹痛などの症状が慢性的に続くため、消化器病専門医や大腸肛門病専門医による適切な診断と治療が必要です。 原因はまだはっきりわかっていませんが、遺伝、腸内細菌、自己免疫反応、動物性脂肪や加工肉の過剰摂取などが関わっていると考えられており、効果的な治療も登場してきています。炎症をうまくコントロールできずにいると、大腸粘膜が継続的なダメージを受け、大腸がん発症につながる可能性も指摘されているため、下痢が続く・下血があるといった症状があったら、内視鏡専門医や大腸肛門病専門医を受診してください。写真の症例は20代女性で半年以上持続する下痢、数日前からの高熱と下血を主訴に初診されました。内視鏡検査を施行したところ特徴的な内視鏡所見(全大腸に連続する炎症所見、介在粘膜に正常部分を認めない、深掘れ潰瘍など)から重症の潰瘍性大腸炎(全大腸型)と診断しました。
当院での検査症例(大腸カメラでわかる病気)は下記よりご覧いただけます。