内科と標榜していれば内科専門医と思われるかも知れませんが、実際は異なります。
内科専門医とは、正式には“日本内科学会総合内科専門医”といい、日本内科学会が年1回実施する試験に合格した医師に与えられる資格です。
試験を受けるにあたっては内科系のさまざまな分野(呼吸器・循環器・消化器・血液・内分泌・代謝・神経内科)の担当患者診療要約、外科手術症例、剖検症例などの診療要約、学会発表、論文などを予め提出し、試験前審査にパスする必要があります。審査にパスした後に実施される試験にも合格する必要があり、その試験合格率は60%程度です。
内科専門医は、研修医を指導するのに必要な資格となっており、また内科診療を幅広くかつ専門的に行うプロ中のプロとして、各医療機関の中核となって活躍しています。
全国で内科系を標榜する医師は約11万名(平成28年厚生労働省)、総合内科専門医数は30,914名(2018年8月現在)ですから、内科系標榜医師のなかで4人に1人しかいないことになります。
実際は外科などが専門であっても内科も標榜されることがよくあることからさらに比率が少ないと推察されます。

日本内科学会 総合内科専門医試験

 受験者数合格者数合格率
2015年度 第43回6,787名4,252名62.6%
2016年度 第44回7,731名4,381名56.7%
2017年度 第45回7,283名4,367名60.0%